「うまい店」はどこにある?
飲食業界超飽和期。
情報誌を見ていても、街中で配られるビラでも、ネットでも、
新規オープンのお店の情報が手に入れられる。
一昔前は「おしゃれ」をキーワードにしたカフェがハヤった。
「癒し」や「隠れ家的」な風潮もウケた数年前。
「まったりできる」なんていうキーワードだけでは、
もう今のお客様の足は向かない。
日本人の生きているスピードが速いからなのか、飽きるのも本当に早い。
いわゆる「ハヤリ」に乗っかるやり方では時すでに遅しで、
先読みのチカラや仕掛けが必要な時代。
千里眼をみんな持っている訳ではないから、
毎年いろんな飲食店ができていろんな飲食店が消える。
何故消えるのか?
そこに本当に「おいしい!」という料理がすくないんじゃないのか?
なんでそんな確信的なことを忘れているのか?
高いお金を払えば、いい食材を使った料理が食べられる。
これは当たり前に「おいしい」。
では「安くておいしいもの」は、この日本にどれだけあるのだろうか?
リーズナブルでオーダーするものが全て「ふんぞり返る」くらい美味しいお店。
そんなお店があるなら行ってみたい。
こと東京においても、そういうお店ってあまりない。
だからボクが外食するときの動機づけは、
「どこどこのお店のアレが食べたいから行きたい」というスポットだ。
北大塚に台湾屋台料理を出しているお店がある。
ボクはそこの「揚げ豆腐」というメニューが大好きだ。
豆腐を油で揚げたいわゆる「厚揚げ」なんだけど、
何とも言えない香ばしさと、酸味のきいた醤油ダレと上の乗った刻みネギ。
何個でも口に入れられる。実に美味しい料理だ。
1品500円くらいで色んな料理をオーダーできるのだけれど、
どれも美味しい。
だから会計でお金を払う時に店員へ、
「ありがとうございました」と思わずこっちが言ってしまう。
テーブルサービスがバッチリなお店でもない。
欲しい時にお水をグラスに注いでくれるお店でもない。
だけどその「揚げ豆腐』が食べたいがために、
月に数回足を運んでしまう。
「うまい!」を柱にした飲食店がもっとあっていい。
ありふれたサービスにこだわっている飲食店は、
この際ホールサービスなんか一度忘れてしまえばいい。
キッチンの人間が自信満々で作る逸品を、
ホールの人間が「このメニューをオーダーして下さい!」と言って薦めて、
客側も「オーダーして良かった」と心から言えるサイクル。
ここで初めてお金を払う価値が生まれるような気がしてならない。
飲食店でのサービスは、美味しい料理があって成り立つ。
美味しい料理だけでもお客様を感動させられる。
さらにサービスがその満足度を完璧な「充実感」へ誘う。
「また遊びに来ますね!」
お客様がドアを出て行く時にそう言ってくれたら必ずまた来てくれる。
これが飲食業の醍醐味とやりがい。
お金と技術を持っている大手がもう一度初心に帰ったら、
もっと「いい店」が増えるのに。
「ミシュランガイド東京2008」に扱われることのない名店を、
ボクは食べ続けていきたい。
もちろん自分もそんな「味」を生み出し続けていたい。



コメント
ご無沙汰してます。
経験からの言葉の重み。
染みますねぇ。
僕もまだまだ頑張らなきゃです。
投稿者: マッスル | 2008年04月13日 13:53